信託銀行の遺言信託のリスク

信託銀行の遺言信託

信託銀行は、遺言信託の名称で遺言の作成、被相続人が亡くなられた後の相続財産の名義変更などの相続手続きをパッケージとして販売しています。

信託銀行の遺言信託のリスクなど

信託銀行だから安心というわけではなく、以下のリスクがあると言われています。

1、費用がそもそも高額。

最低料金が100万円からという商品が多いので、弁護士から見て高いと思われます(弁護士の場合は、一般的に遺言作成で10~30万円のようです。弊事務所は10万円となっております。)。

2、投資信託などの商品勧誘目的がある。

資産状況が丸裸になるわけですから、余剰資金があるとなると、不要不急な投資商品購入の勧誘のターゲットとなります。老後の静かな生活が乱されるという声はよく聞きます。

3、遺言の内容が実現されないリスクがかなりある。

相続人の一人でも信託銀行が遺言執行者の就任に反対すると、遺言執行者への就任を辞退します。そうなると、声が大きい相続人が他の相続人を無理やり説き伏せて多く相続財産を取得しようとして、残された配偶者を取り込んだり、配偶者を押しのけて相続財産を取得しようとして紛争が大きくなる場合が散見されます(税理士法人や行政書士法人が遺言執行者になっている場合も同様のリスクがあります)。紛争性のある法律業務は、弁護士にしかできないことの裏返しでもありますが、①の高い費用は何だったのかということになります。

4、遺言条項が適切でない場合があります。

相続人がいる場合は、通常は「○○の不動産を相続させる」と表現しますが執行費用をかさ上げするために「○○の不動産を遺贈する」という表現にしている場合があります。前者の表現では、請求できたとして司法書士の代行費用程度ですが後者の表現だと不動産の価額に信託銀行所定のパーセンテージを乗じて算出することになり10倍以上違ってくることになります。