相続手続の期限と手順

相続手続の期限と手順

相続手続は、相続放棄などの相続方法の選択のように期限が設けられたものがあります。その期限内に手続が間に合わない場合、思わぬ不利益が生じる恐れがあります。

相続手続が全て完了するまでには、一般的にある程度の時間を要しますので、あとになって手続きが間に合わないという事態にならないよう計画的に進める事が重要です。

下記の例は、遺言書がない場合のケースを図示したものです。遺言書の有無や相続財産の内容等によってはさらに相続手続が必要となる場合や相続手続自体が一部異なるケースもありますので注意が必要です。

相続手続きの流れと期限

相続開始から3ヵ月以内(7まで)

相続開始から10ヵ月以内(14まで)

  1. 1. 相続の開始(被相続人の死)
  2. 2. 通夜・葬儀
  3. 3. 遺言書の有無を確認
  4. 4. 四十九日法要
  5. 5. 相続人の調査・確定
  6. 6. 相続財産の確認
  7. 7. 相続放棄・限定承認・単純承認、相続方法の選択
  8. 8. 準確定申告
  9. 9. 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
  10. 10. 相続税の計算・申告書の作成
  11. 11. 納税方法の選択・決定
  12. 12. 遺産の分割・名義変更
  13. 13. 相続税の申告・納税
  14. 14. 一周忌法要

相続開始(被相続人の死亡)直後に行う相続手続

死亡届の提出

被相続人の死亡後に行うものとして、葬儀(通夜・告別式)の準備の他に①死亡診断書の取得②死亡届の提出③埋(火)葬許可の取得等の手続が必要になります。

葬儀費用等の記録、取引先の金融機関へ連絡

被相続人の取引先金融機関への連絡もおこないましょう。金融機関に死亡届を提出するか提出しなくても金融機関が被相続人の死亡を知りますと口座は凍結されてしまい、公共料金などの自動引き落としも行えなくなります。したがって公共料金などの名義人や支払方法の変更も速やかに行うようにします。

被相続人の意思確認(遺言書の有無確認)

通夜・葬式などが終わり、ひと段落ついたら遺言書がないかどうか調べます。
遺産分割協議を行った後で遺言書が出てくると手続を再度やり直さなくてはならない事にもなりかねませんので慎重に調査を行われることが望ましいといえます。

被相続人の死亡から4ヶ月以内の相続手続

遺産の内容を確認

遺産の確認を行い、資産を超える負債がある場合には「相続放棄」や「限定承認」をすることで債務の承継を免れることができます。

しかし、相続放棄・限定承認の手続を行うには期限が定められていますので速やかに調査を行う必要があります。

遺産の内容を確認

遺産の確認を行い、資産を超える負債がある場合には「相続放棄」や「限定承認」をすることで債務の承継を免れることができます。

しかし、相続放棄・限定承認の手続を行うには期限が定められていますので速やかに調査を行う必要があります。

相続方法の選択(相続開始から3ヶ月以内)

相続方法の選択は相続の開始を知った日から3ヶ月以内に行う事が必要です。速やかに、遺産の内容を確認し、資産の額・負債の額の調査を行い、調査をもとに単純承認・限定承認・相続放棄の中から選択します。

相続人の調査・確定

遺産分割協議に向けて、遺産の内容を確認する調査と並行して相続人を確定する為の調査も行います。遺産分割協議を行った後に相続人が新たにでてきた場合は最初から遺産分割協議を行わなくては ならないからです。

相続人の調査は実務上、被相続人が生まれた時から亡くなるまでの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍を取り寄せて調べることになります。

準確定申告

通常、所得税の確定申告の期限は毎年3月15日ですが、年の中途で死亡した人については、相続開始後4ヶ月以内に申告を行うことが義務付けられています。これを準確定申告といいます。
仮に被相続人が1月1日から3月15日までの間に亡くなった場合にはその分の申告も合わせて行うことが必要となります。

準確定申告の方法

準確定申告は、申告書とその付表に各相続人が連署して、被相続人の住所地を管轄する税務署に提出を行います。相続人の一部に一緒に申告できない人がいる場合には、別々に申告を行うことになり ます。

納税する税額は、各相続人の相続分に応じて負担をすることになります。納付をおこなった所得税は、被相続人の債務として相続財産から控除することができます。なお、所得税の還付を受けた場合には、反対に相続財産に加えることになります。

一般的なサラリーマンの方であれば、勤務先が年末調整を行ってくれる為、準確定申告は不要です。
ただし、医療費控除を受けられる場合には、還付を受けるための申告を行うことができます。

被相続人の死亡から10ヶ月以内の相続手続

相続財産の確定・評価

相続税の申告や遺産分割協議を行うためには、まず相続財産を確定し、評価額を算出することが必要です。

相続税の申告に際して、計算の元になる財産の価額は、相続税法や国税庁の通達によって具体的な評価方法が定められています。一方、遺産分割協議を行う際の財産の価額は、相続人間において 適正な価額を決めることになります。

遺産分割協議

被相続人の人が遺した財産をどのように分けるのかを相続人間で話し合う事を遺産分割協議といいます。

遺産分割協議は、全ての相続人の同意が必要となります。相続人全員が遺産分割協議に同意したら、後々の無用なトラブルを避ける為に遺産分割協議書を作成しておくことが望ましいと考えられます。

相続財産の名義変更

遺産分割協議がととのったら、遺産分割協議書を作成し、協議書に従って各相続人が取得した財産の名義変更を行います。名義の変更に期限はありませんが、いつまでも故人の名義のままにしておく ことは望ましくありませんし、トラブルの元になることもありえますので、すみやかに手続を取ることをお勧めいたします。

不動産については、所有権の移転登記が必要となります。登記は義務ではありませんが、登記簿上の所有者でなければ、その不動産を売却したり、担保として設定することができませんので注意が必要です。

相続税の納税が必要であれば納税方法の選択

相続税の納税が必要な場合、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内に相続税の申告と納税を行うことが必要です。

相続税の納税は一括の現金納付が原則ですが、現金で一括納付できない場合、物納延納といった方法も認められています。

但し、物納や延納の制度を利用される場合には原則として申告書の提出期限までに税務署に申請書を提出して税務署長の許可を受けておくことが必要です。